予防歯科とは
虫歯や歯周病などで歯が悪くなった時に受ける治療ではなく、そうならないために行う対策のことを予防歯科と呼んでいます。
日本では「歯は悪くなったら治せばいい」と考えている方が今でも多いようですが、実は予防歯科を意識しないことには、かなりのデメリットがあります。
予防歯科を受けておかないと…
- 歯周病で早産のリスクが高まる。
- しっかり噛めないため偏食、肥満傾向に。
- 将来入れ歯になって、食事が美味しくない。
- 口臭で周りの人から嫌われる。
- 入れ歯で顔の形まで変化。
- 噛めないことで認知症の可能性が高まる。
よく、車に例えてご説明させて頂くのですが、最近の新車は、買ってから5年間くらいは整備しなくても乗り続けることはできます。
しかしその間メンテナンスをしていた車とそうでない車では、6年目以降に大きな差が現れます。やはりメンテナンスをしていなかった車は、故障して動けなくなる可能性が高くなります。
車の例はご経験ある方もいらっしゃるかと思います。
この車の例は、歯でも全く同じことが当てはまります。今は大丈夫に思えても、60歳を超えてから入れ歯で食べたいものも食べられない人と、いつまでも自分の健康な歯で食事を楽しめる人に分かれていきます。
幸い「歯」は外から見て処置できるため、きちんとメンテナンスに通いさえすれば、大事なことを見落としてしまうようなリスクはほとんどありません。また、初期の虫歯や歯周病であれば、ほとんど身体への侵襲なく治療を終えられます。将来自分が苦しまないためにも、今からしっかりとメンテナンスを続けていきましょう。
3ヶ月ごとのメンテナンスが必要な理由
お口の中にいる細菌は、歯磨きをすればすべて落とせるというわけではありません。
細菌はプラークという塊になると表面に自分たちを守る層を作るため、簡単には除去できなくなります。これをバイオフィルムと言います。
それができるまでのサイクルはおよそ4ヶ月ですので、当院でも3ヶ月ごとのクリーニングを推奨しています。また、3〜4ヶ月経つと歯石もできてくる方がほとんどで、そのままにしておくと歯周病菌の温床となり、歯を失うことに繋がります。
毎日の歯磨きをきちんと行うことももちろん大切ですが、歯を守るためには定期的に歯科医院でクリーニングを受けることが必要ということも、ぜひ知っておいていただければと思います。
スウェーデンが証明した、メンテナンスの効果
現在、スウェーデンは歯科先進国と呼ばれるほど国民の歯の意識が高く、ほとんどすべての人が予防歯科に通っています。しかし30年前は全くの逆で、虫歯や歯周病が非常に多い国でした。
そこでスウェーデンが行ったのは、政府レベルでの予防歯科です。国民に歯の定期検診とクリーニングを受けるように指示したところ、虫歯・歯周病の患者数は劇的に減っていき、今では虫歯本数が平均3.6本(日本は9.5本)、歯周病にかかっている人の割合は20%(日本は80%)になっています。
この数字を見ると、日本ではまだまだ予防歯科が普及していないことがわかります。私たちも、予防歯科への取り組みを始めて、虫歯や歯周病から歯を守るようにしましょう。
予防歯科で行うこと
検診
虫歯や歯周病はできていないか、歯の噛み合わせに異常はないかを調べます。
クリーニング(PMTC)
歯石やプラークを除去し、歯の表面をきれいに磨き上げます。
フッ素塗布
歯を丈夫にするため、フッ素を表面に塗ります。
歯磨き指導
どこに磨き残しがあり、どう改善すればいいのかをお伝えします。
生活習慣のアドバイス
その他、歯の健康に関する各種アドバイスを行います。
予防・メンテナンスは専用の環境で行います。
当院は予防歯科(メンテナンス)に力を入れており、治療用のスペースとは別にメンテナンス専用のスペース『L・LABO』という環境を作りました。
今までの歯のクリーニングといえば、虫歯の治療と同じ診療台で行い、場合によっては隣で虫歯治療をしている方の”キーン”という音を聞きながらクリーニングをするケースがほとんどかと思います。
しかし私達は、”痛み””緊張感”を連想する治療の音をクリーニングに来て下さる方には聞かせたくないと思い、あえてクリーニング専用の部屋を設けさせて頂きました。
また『L・LABO』スペースでは、より良いメンテナンスをご提供できるよう設備にもこだわりがあります。
例えば治療スペース同様、塩素の7倍もの殺菌作用があり、消臭、感染予防の効果があるオゾン水が出るユニット(治療用の椅子)を導入しております。
オゾン水は、自然分解する時、近くの菌など物質にくっつき酸化する特性があります。これにより、菌を完全に死滅させるので耐性菌が発生する恐れがないと言われており、臭いの素となる悪臭成分そのものを分解させるため、高い脱臭効果があります。
除菌後に残るのは酸素と水のみなので、残留物がなく環境を汚す心配もなく、なにより人体にも安心なのが特徴です。
また、歯石除去等に使用する機器は『Varios 970』というお湯とお薬が同時に出る専用設備を採用させて頂きました。
予防歯科が大事だとわかっていても、歯科医院には行きたくない、行きづらいという方も多いと思います。そんな方は、メンテナンス専用の環境が整った当院の『L・LABO』へぜひお越しください。
メンテナンス専用のスペース『L・LABO』は完全個室となっておりますので、その他の治療音等が耳に入らないようになっております。
細かい歯の汚れ、歯石等を見落とし無く落とすことができるよう、クリーニング時においてもルーペを着用させて頂いております。
歯石除去等に使用する機器、『Varios 970』が写真の機器になります。お水と薬液を同時に出すことができるので従来機器に比べより効果的にクリーニングが可能です。